メール ソフトウェア(メーラー)

Outlook.com アカウントのメール送受信が、Windows Live メール 2012 では出来なくなるとの Microsoft 社からのメールを受けて、各種メールソフトを使ってみた。

試行したメール ソフトとまとめ


経緯

マイクロソフト社からのメール

1.2016年5月21日早朝、Microsoft 社から、以下のメールが多数の関係者に送られてきました。

mail30
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2.一週間後にも、更にその二週間後にも確認のメールが送られてきました。

mail31
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3.メール通知内容概要:

  • 1) Outlook.com アカウントのメールアドレスを、Windows Live メール2012 で送受信している方へ
  • 2) Outlook.com のメールやカレンダーなどが新しくなります。
  • 3) 6月末以降に、Outlook.com アカウントのアップグレードが始まる
  • 4) そうすると、Live メール2012 と Outlook.com アカウントの同期ができなくなる
  • 5) それまでに Web アプリや Windows に標準装備されている「メール」アプリへ切り替えを勧める

4.関係図

Outlook.com は、Microsoft 社が提供する Web ベースの無料メールです。 Outlook.com アカウントを所有している場合 (たとえそのアカウントの末尾が @hotmail.com、@live.com、@msn.com であっても)、Outlook.com にサイン インすることで、メールを読んだり、送信したりできる。

Outlook.com アカウントで送受信を行うには、Web ブラウザ(Outlook.com)で行うこともできるし、オフィスソフトの Outlook 2013 、Thunderbird、それに Windows Live メール 2016 と言ったメールソフト(メーラー)を使っても行えます。Windows 10 に搭載されている ”メール” アプリでも行えます。 

mail32
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5.問題

ところが、Windows Live メール 2012 を使って、Outlook.com アカウントでメールの送受信をする場合、6月30日以降メールソフト Windows Live メール 2012 とサーバー間の同期ができなくなるとのことです。

これまで Outlook.com アカウントとの接続では Delta Sync という技術を使っていました。Windows Live メール 2012 もこの技術で Outlook.com アカウントと接続できていました。

今回 Outlook.com が更新されることにより、接続は Exchange ActiveSync に変更となります。ところが Windows Live メール 2012 はこの技術を取り入れておらず、新しい Outlook.com には接続できなくなるということです。

6.背景と代替方法、よくある質問について

参照:Windows Live メール 2012 が Outlook.com に接続されない (外部サイト:Microsoft 社サイト)


メールソフトの比較

Windows Live メール 2012 以外のメールソフトで、プロバイダーのアカウントを使ってのメールの送受信の感想と、

Windows Live メール 2012 に、Outlook.com アカウントをプロバイダーアカウント形式 (IMAP/SMTP) で設定するのを試みた。

1.POPアカウントの受信が遅い、送受信ボタンが無い

POP アカウントの新しいメッセージが 30 分ごとに自動的にチェックされ、一度に最大 50 通の新着メッセージを受信できます。残ったメッセージがあれば、次にメールを同期したときに受信します。

 

保存されているメールの数によっては、Outlook.com にメールが表示されるまでに 24 時間以上かかることがあります。

 

インポートまたは受信するメール メッセージの最大サイズは、添付ファイルを含めて 25 MB です。

 

(http://windows.microsoft.com/ja-jp/outlook/pop-email)

2.一つの Outlook.com アカウントに複数のメールアカウントを追加する形式

Outlook.com アカウントには最大 13 個のアカウントを追加できる。

 

メールアカウント単位で受信するメッセージは、受信するフォルダーで分けるしかない。

3.広告が画面右端に表示される。画面を半分のサイズにすると表示されないが・・。

広告なしの Outlook.com メールは、有料となる。

4.アドレス帳は、新たに作成/インポートする必要あり

5.IEで起動すると、PCにサインインしている Microsoft アカウントでメールにサインイン

この場合、Web メールから一度サインアウトして、再度 Outlook.com のメールアカウントでサインインする必要あり。

1.受信サーバーからのメール削除をする・しないをコントロールできない

複数人で、共通のメールアドレスを扱う場合は大問題!

  • 受信時にメールサーバから電子メールを削除することができない。
  • 受信後にアプリ上で電子メールを削除して同期した場合はサーバ上の該当の電子メールも削除されます。

2.PCに受信した電子メールを保存できない、過去のメールを閲覧できない

パソコンに受信した電子メールを保持することができない。

  • メールアプリでは、同期の都度受信サーバーを見に行き、その時の受信サーバーの状態を表示するだけなので、以前閲覧できたメッセージでも、その後他のメーラーでの閲覧で削除されたメッセージは、メールアプリでは再び閲覧できない。
  • メールサーバーの容量(例:50MB)を超過した場合、サーバー上の電子メールは過去分から自動的に削除され、削除された過去の電子メールはメールアプリで閲覧することができません。
要するに、メインのメーラーとしては使用できないということになる。

3.迷惑メールの振り分け、受信拒否の設定ができない

4.プレビューの表示/非表示をコントロールできず、すぐにプレビュー表示になってしまう

メッセージ一覧からメッセージをシングル クリックするだけでメッセージ内容が表示されてしまう。

Windows Live メールのように、ダブルクリックで表示するようにはできないようです。

5.未読/既読の表示が不明確で、区別がつきにくい

6.現在のバージョンでのメールアプリ上では、受信メールをフォルダー分けできない。

7.複数アカウントでのメール受信では[クイック分類]表示ができない

8.テキスト形式のメールが使えない、HTML形式のみとなる。

9.同期するのに時間がかかりすぎ、遅すぎる

10.これら以外にも多数の問題が苦情や、改善提案としてフィードバックされている

1、アカウント設定時に、設定が正しいかどうかのテストができる

2.「連絡先」でグループを作ろうとしたが、「メンバーの選択:連絡先」画面で、自宅電話(班No.)がビューに表示できない、その自宅電話(班No.)で検索あるいは並べることができない、などでグループに追加する連絡先をまとめることができず、連絡先のグループ作成は失敗した。

1、アカウント設定時に、設定が正しいかどうかのテストができる

メーラーとしての使い勝手は良いと思われる

1.Delta Sync を使わないで、Outlook.com アカウントを設定したが・・・?

IMAP/SMTP でのアカウント設定。

 

この設定で6月30日以降の Outlook.com の更新後でも、メールの同期ができるかどうかを検証する必要あり。

参照: Gmail を使う


まとめ

2016年6月24日

1.日常のメール送受信を Outlook.com アカウントで行っている会員は、現在はいない

Outlook.com アカウントで日常のメール送受信を行っていた会員が数名いたが、プロバイダーのメールアカウントに切り替えることができ、Windows Live メール 2012 で送受信できるようになった。

2.Windows Live メール 2012 を、当座は会および講習用のメールソフトとする

Microsoft 社が推奨する Web アプリとしての Outlook.com や Windows 搭載の ”メール” アプリは、プロバイダのメールアドレスを設定すると、現状では使い勝手が思わしくない。特に複数メールアカウントでの操作を考慮すると使用に耐えられない状況もある。

 

同じく推奨されている Outlook 2013 では、Windows Live メール 2012 以上の機能を持つが、乗り換えるためには新たな操作を習得する必要がある。Thunderbird についても、同様。

 

Windows Live メール 2012 は、日常のメール送受信及び初心者講習には今後も使用できるものと思う。 

3.今後の講習用メールソフトの候補を模索する

Windows Live メール 2012 の今後のサポートは予定されていないとのことで、これに続くメールソフトを検討する必要がある。

 

PCだけでなくスマホやタブレットで使われるメールソフト Gmail が今後主流となることが考えられる。

Microsoft 社は Office ソフトとの連携から Outlook 2013 / 2016 を勧めてくることも考えられる。

 

Gmail や Outlook 2013 / 2016 の使い勝手や機能を今から確認しておくことが必要です。 

付記

Microsoft アカウントの ID に Outlook.com アカウントのメールアドレスを使うケース

Microsoft アカウントの ID に Outlook.com アカウントのメールアドレスが使われているケースが多々ある。

 

これへの対応として、Outlook.com アカウントのメールアドレスを IMAP/SMTP で設定した Windows Live メール 2012 で、7月以降メールの送受信が行えるかどうかの確認を行う必要がある。

 

確認の結果次第で、以下の方法のいずれかが執られる:

問題無く送受信できる

Outlook.com アカウントのメールアドレスを、Windows Live メール 2012 に IMAP/SMTP で設定する

 

同期できず;

Outlook.com アカウントのメールアドレスでの送受信は、Outlook.com (Web ブラウザ)や他のメーラーで行う、

あるいは、

Microsoft アカウント ID としての Outlook.com アカウントのメールアドレスは、日常メールの送受信で使うメールアドレスに変更する